≪シンポジウム+上映会≫紀行映画「熊野路」と南方熊楠―新発見の南方熊楠映像資料をめぐって―【終了】


イベント詳細


「紀州地域学共同研究会 研究集会─2017春」

 

「紀州地域学共同研究会 第4回 研究集会―2017春」が3月17日~19日の間和歌山県立情報交流センター・Big-Uで開かれます。
3月19日には≪シンポジウム+上映会≫「紀行映画「熊野路」と南方熊楠―新発見の南方熊楠映像資料をめぐって―」を開催します。

◎趣意
 2015(平成27)年秋、NHK和歌山放送局に於いて、子爵・野村益三(1875-1959)が1935(昭和10)に撮影した映画の中に、南方熊楠(1867-1941)の映像が残されていることが確認された。映画は「熊野路」と題された15分ほどの紀行フィルムである。紀北の和歌山城や和歌浦から始まり、紀南の白良浜、田辺、中辺路を経て瀞峡、那智へと至る旅路と、各地の名所が映像で紹介されている。

 田辺の場面では「この国第三の都 名高きものに、扇の松原、神島、白浜温泉、白良々の浜、円月島、崎の湯、千畳敷、臨海研究所、而して又南方翁あり」という説明書きに続いて、各名所の映像が流れるのにまじって、自邸の庭に佇む南方熊楠の映像が20秒ほど映し出される。南方の肖像については多くの写真が残されているが、動画映像が出現したのは、これが初めてである。南方は夏目漱石や正岡子規と同年齢であるが、この世代の人物が映像で残されていたということ自体が稀であり、奇跡的な発見といえよう。そして南方熊楠にまつわる貴重な資料であることは間違いない。

 また、この映画に収められた当時の和歌山県各地の映像も、それぞれ大変貴重な記録となっている。和歌山城については、1945(昭和20)年の大空襲で焼失する以前の姿を映像として伝えており、和歌浦では和歌祭の様子を捉えている。紀南の名所や人々の姿についても、今では失われた景観の数々が映像に留められている。

 本企画では映画「熊野路」を、発見後はじめて全篇上映するとともに、その内容について多角的に検討をしてみたい。地域の方々にも、お気軽にご来場いただければ幸いである。

日時:2017年3月19日(日)9:30~12:00(開場9:00)
会場:和歌山県立情報交流センターBig・U
多目的ホール(和歌山県田辺市新庄町3353-9)
定員:200名
入場:無料
申込:不要

《パネリスト》
◆田村 義也氏(成城大学非常勤講師・南方熊楠顕彰会学術部長)
 「昭和10年の南方熊楠:新出映像のもつ意味」
◆岸本 昌也氏(武蔵大学非常勤講師)
 「野村益三子爵と映画『熊野路』」
◆土永 知子氏(和歌山県立田辺高等学校教諭・南方熊楠顕彰会学術部委員)
 「映像に見る熊野路の植生」
《司会》
◆杉山 和也氏(青山学院大学大学院博士後期)

「紀州地域学共同研究会 研究集会―2017春」ポスター

紀州地域学共同研究会 研究集会―2017春

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