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    南方熊楠日記[昭和八年・九年]

     

    (2025年3月発行 A5版 302ページ)

    先に「南方熊楠資料叢書」として出版された『南方熊楠日記[昭和六年・七年]』に続いて、『南方熊楠日記[昭和八年・九年]』を刊行しました。昭和期の日記としては、2冊目となります。
    本書に収録された昭和8、9年には、熊楠は65歳から67歳になっていました。晩年の時期に差し掛かっていましたが、様々な訪問者との応対、生物の観察、論文執筆、手紙のやり取りなど、活発な活動が日記に記録されています。
    特にこの時期には、様々な社会活動を繰り広げていました。例えば、白浜の熊野三所神社境内に行幸記念博物館を建設する計画、千畳敷に京都大学植物園を設置する計画、田辺高等女学校を移転する計画などに対して、反対運動を展開していました。その一方で、昭和9年には、神島を国指定の天然記念物にするための調査と申請書作成に奔走しています。このような活動の経過が日記から読み取れます。
    日記には、起床してから寝るまでの出来事、周囲の人々の交流などの日常的な活動も淡々と記録されています。熊楠の著作や書簡が誇張や脚色が加えられているのに対して、素顔の熊楠像を読み取っていただけるものと期待しています。

    令和7年3月刊行
    3,300円(別途送料310円)

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