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第1回~第10回南方熊楠賞受賞者

第1回南方熊楠賞(人文の部)

バーバラ・ルーシュ 氏

 日本中世の主要な問題点を再検討し、日本文化を創造した人々の活動を実証的に新たな視角から解明した。

第1回南方熊楠賞(自然科学の部)

故 神谷 宣郎 氏

 戦前、日本では細胞を生きたまま扱うことがほとんどできなかった時代に、粘菌を活用し、極めて独創的な方法で原形質流動の分子機構を明らかにした。

第2回南方熊楠賞(人文の部)

故 谷川 健一 氏

 長年在野にあって研究を継続、民衆文化へ目を向け、柳田国男、折口信夫などの民俗学の成果と課題を多角的、総合的に研究。熊楠翁の視点にも論究した。民衆文化への視点を持ちながら、沖縄文化との比較研究をおこなった。

第3回南方熊楠賞(自然科学の部)

故 椿 啓介 氏

 真菌類の研究で知られ、特に不完全菌類の研究に深く、その雑多な形質の中で分生子(胞子)形成様式という新分類基準を選び出し、分類体系を確立した。

第4回南方熊楠賞(人文の部)

故 國分 直一 氏

 東アジアの民族文化の比較研究に取り組み、台湾などの各地の発掘調査で、多くの研究成果をあげた。

第5回南方熊楠賞(自然科学の部)

故 吉良 龍夫 氏

 森林の生態系について観測と実験、数理的解析を加えて研究。科学的根拠を通して自然保護の大切さを訴えた。

第5回南方熊楠賞(人文の部)

故 鶴見 和子 氏

 熊楠の博物学研究が地球規模で行われていたことに気づき、「地球志向の比較学」と題した論文を発表するなど、熊楠研究の新しい分野を切り拓いた。

第6回南方熊楠賞(自然科学の部)

竹内 郁夫 氏

 細胞性粘菌を用いた発生生物学研究の第一人者。肉眼では見えず、生活サイクルなどが未解明の細胞性粘菌を日本で初めて研究材料として取り上げて研究の基礎を確立、発生生物学研究に多大な功績を残した。

第7回南方熊楠賞(人文の部)

故 川添 登 氏

 建築評論家として活動する一方、在野の研究者として都市民を対象にした新しい民俗学の分野として「生活学」を提唱、体系化した。

第8回南方熊楠賞(自然科学の部)

故 四手井 綱英 氏

 森林植生分布や里山林の起源、森林での水と養分の循環や動物の役割など、創意に富んだ研究を発表し、すぐれた研究者を育てた。

第9回南方熊楠賞(人文の部)

故 加藤 九祚 氏

 シベリアや中央アジアなどのユーラシア内陸部全域にわたるフィールドワークをおこない、シベリアの民族に関する記録を古今東西の資料とつきあわせることによって、歴史民族学の新しい分野を開拓した。

第10回南方熊楠賞(人文の部)

故 上田 正昭 氏

 アジア、特に東アジアを視野に入れたスケールの大きな日本古代史の研究家。文献史学をベースとしながら、国文学、考古学、民俗学などの研究成果も取り入れ、古代社会を多面的に研究され、とくにヤマト王権成立から律令体制成立期の権力構造の分析や宗教と信仰などを主とし、またその他、その鋭い人権感覚から在日朝鮮・韓国人や被差別部落の問題にも積極的にかかわり、その問題意識から、従来の学統を総合する独自の方法で研究を大成されている。

第10回南方熊楠賞(自然科学の部)

故 日高 敏隆 氏

 日本動物行動学のパイオニア。動物行動の生理学的・行動学的・社会学的基礎を確立した意義と貢献はきわめて大きいとの世界的評価を得ている。