第1回月例展(終了)


イベント詳細


【月例展について】
南方熊楠顕彰館では、熊楠の遺した蔵書・資料等を後世に伝えることができるよう、温湿度等の空気環境を管理できる収蔵庫で大切に保存しながら、広く公開していくこと にしております。
日頃は、熊楠について調べたり、学ぼうとする方々に広くご利用いただけるよう、玄関ホールで展示パネルやタッチパネルでの展示紹介をさせていただいており、2階の交流閲覧室では所蔵資料のデジタル画像やマイクロ写真、戦後出版されている熊楠に関する図書を整備し、来館者の皆さんにはご自由に閲覧していただいております。
館内での原資料展示による熊楠翁の業績や実像を紹介する展示会の開催を予定しております。大規模な企画展の開催については現在計画を進めておりますが、まずは、このたび小規模の月例展を開催することにいたしました。

〔出展資料の紹介〕
○キャラメル箱
熊楠は、ご進講当日までに110点の進献粘菌標本を用意した。熊楠は標本を入れる桐箱を準備したが、納まりにくいため、平生用いていたキャラメルのボール箱11箱に入れ献上した。展示の2つの箱はそれと同型のもの。
1箱に10点ずつの粘菌を入れて献上したという。

○行幸記念団扇
行幸を記念し、また行幸記念碑建立に賛同した人々に贈るために、5種類の団扇を作ることになり、川島草堂の貝類の画など3種 河東碧梧桐の俳句2種で一組みとした。
この団扇は田辺の産物芦柄団扇で、大阪の彫工と刷工とに注文した版画で、版は300組しか刷られなかった。
現存が少ない上、展示品には熊楠自身が当日の感激を詠んだ自筆の和歌が書き込まれていて珍しいもので、本館開館を機に、所有者(匿名)より寄贈されたものである。

○ご進講の際、熊楠が着たフロックコートを仕立て直した金崎宇吉氏のミシン

〔展示(写真)パネルの紹介〕
【当時の新聞切抜き(2点)】
熊楠自身が切り抜いたもの。南方熊楠邸に遺されていた新聞の切抜きの一部をデジタル画像処理した写真パネルを展示。当時の様子がうかがえる。

【ご進講を終えての記念写真(3点)】
展示の写真パネル3点は、南方熊楠邸に遺されていた写真アルバム(本館所蔵)から、直接スキャニングによるデジタル画像処理を行ったもの。

【ご進講前後の熊楠の姿】
ご進講前後の様子を、『昭和4年5月20日から6月3日の日記(未刊行)』の翻刻を一部、パネルで紹介しています。
熊楠の当時の様子とともに、進講の翌々日(6月3日)に、改めて夫妻での記念写真を撮影されたこと等も確認できます。

〔その他〕
1)月例展観覧は無料です。
2)展示についての説明会(中瀬喜陽館長、濱岸宏一学芸スタッフ)
①6/25(日)13:30~  15:00~
②7/1 (土)15:00~
③7/2 (日)13:30~  15:00~
④7/8 (土)13:30~  15:00~
⑤7/9 (日)13:30~  15:00~

担当
浜岸宏一