バック写真01 南方熊楠顕彰観
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ごあいさつ
 いつも、なにかと御高配、御指導賜りまして有難く、厚く御礼申し上げます。申すまでもなく当館は博物学者南方熊楠に関する研究と顕彰を目的として平成18年5月14日に開館をみたものであります。顧みますと昭和59年、田辺市観光ビジョン策定委員会で南方熊楠邸の保存と遺されたぼう大な資料をどう整理するのか、これが田辺市の活性化にどう結びつけるのがよいか、関係者の間でずいぶん議論を重ね、その結果昭和62年6月に「南方熊楠邸保存顕彰会」が結成され全市一丸となっての顕彰事業がスタートいたしました。その後、吉野・高野・熊野の三地点とその参詣道を含む広域エリアが世界遺産として登録されました。高野の宗教世界、熊野の自然保護は南方熊楠の広く足跡を印したもので、「熊野古道」の研究は密接に熊楠研究と関わりをもちます。当時、人びとのまだ耳慣れない「エコロジー」を説いたのも熊楠であります。こうした先進性から、当初構想されていた熊楠研究の道筋はますます広く多様性が要求されるようになりました。
 研究熱の高まりと共に、それを補強する関連資料の発掘整理も今日の大きな課題となっています。ご承知のように、熊楠には明治14年から没年までの日記がすべてのこされています。今活字化されているのは大正2年までで、それ以降は目下解読作業中で刊行の見通しも確定してはいません。また門弟・知己に宛てた書簡や来簡類の整理も漸く緒についたばかりで、こうした基礎資料の整理も喫緊の課題であります。多くの課題を抱えた現状ではありますが、長い準備期間内に果たしたものも多くあります。蔵書目録や資料目録の刊行などは研究者に従来なかった利便を提供していると自負しています。こうしたものを活用して、より深化した熊楠研究が発表される日を、かたずを呑んで見守っていきたい。そしてそのための援助には労を惜しまぬつもりであります。
南方熊楠顕彰館館長  中瀬喜陽   
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